第4弾 阿部 清子

「龍」をテーマに画家の阿部清子さんが、1月11日から1月21日まで当ホテルに10日間滞在し制作いたしました。
東京タワーを臨む大きな窓から、ひらりと入ってきた龍。部屋の壁を水平方向に一枚の紙に見立て、自然界のストーリーを描きました。
「とても眺めの良いこの部屋にお休みになる方たちが、眼下の現代日本の風景と共に、自然という正直な世界の中で人は生きてきたし生きているというドラマを感じて欲しい」という阿部さん。
部屋をぐるりと一周する龍は、自然界のエネルギーの象徴で、この客室(=空間)が龍のエネルギーで活性化されるようにという願いが込められています。

Room #3112  |  完成:2014.01

Artist’s Message

「自然との結婚」

私は長く人の意志を表現することを研究し制作しています。その過程で、人間の心の有り様は自然現象や森羅万象の法則と同じ力学が働いているという事に度々出合ってきました。そして自然界、森羅万象は、人間に脅威と恩恵を与え、今も人は皆その歴史の上に生きています。そこで、私は人間と自然との関係、そしてここ日本の自然感をこの部屋に表現してみようと思いました。

日本人の自然感は、人間と自然各々の尊厳の、共存と尊重であると私は考えます。それを体感できる部屋にするために、自然の尊厳は龍という世界共通像によって描き出し、対峙する人間の尊厳は、無垢な希望の象徴として少女の姿で表しています。それはまるで、苦楽を共にする伴侶との、結婚のような対峙の仕方のように。
また、龍を森羅万象のエネルギーそのものとして捉え、それがこの部屋の中に充満するようなイメージで、活性を促す空間になることを願って制作致しました。

とても眺めの良いこの部屋にお休みになる方たちが、眼下の現代日本の風景と共に、自然という正直な世界の中で人は生きてきたし生きているというドラマを、窓の外からひらりと入ってきた龍に包まれながら楽しんで頂けたら幸いです。

阿部清子

“日本の美意識が体感できる時空間”

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